「ギャラクシー号」に乗ってきました。

　「ギャラクシー号」は、東北地方の玄関口・福島と大阪とを結ぶ夜行バス。近鉄バスと福島交通のバスが交互に走っています。そのうち福島交通の担当する便には絶滅寸前の国産2階建てバス、三菱ふそうのエアロキングが充当されています。今回はそのエアロキングを目指して、「ギャラクシー号」に乗ってきました。大阪・あべのハルカス発の便です。

　始発の停留所、あべのハルカスは天王寺駅と阿倍野橋駅とを隔てる道路上にあります。停留所の脇には立派な待合室が設けられています。

　室内には発車時刻表が。近鉄バスは、北は仙台から南は大分・熊本に至るまで、大規模な夜行バス網を形作っています。「ギャラクシー号」はその東北ブロック？の一翼を担う路線です。

　もしお時間があったら、せっかくなのでハルカス300（あべのハルカスの展望台）に登ってみるのもいいかもしれません。

　さて、福島交通のエアロキングがやって来ました！汚れ一つなくぴかぴかです。

　「ギャラクシー号」は途中3回ほど休憩をとります。でも乗客はそのうち1回だけ、新名神高速の土山サービスエリアで降りることができます。

　最近ほとんどのバスは行き先表示がＬＥＤのものになっていますが、このバスは珍しく行灯式の方向幕になっています。…って、今どき行灯式なんて言わないか。

　福島交通のカラーリング、ぼく個人的には結構かっこよく思えます。車体に直接運行区間を描くのは、先日乗った関東自動車のエアロキング「とちの木号」にも通ずる文法です。

　土山サービスエリアを出た後は眠りこけるだけなのですが、今回の「ギャラクシー号」はとにかく速かった（早かった）！途中、東名高速の中井パーキングエリアと東北道の那須高原サービスエリアで休憩をとりながら走り続け、降車のできる最初の停留所、東北道の西郷（にしごう）バスストップに着いたのは午前5時45分。時刻表だと西郷バスストップは6時45分着となっていますから、ぴったり1時間の早着です。エアロキング君、年齢（車齢）を感じさせない走りっぷり。写真は西郷バスストップ到着直前のものですが、この日は天気も良好！すばらしい朝焼けに恵まれました。と言っても、乗っていたときはもちろんカーテンが閉まっていたのでほとんど外の様子はわからなかったのですが…。

　その後も「ギャラクシー号」は快調に走り続け、終点の福島高速バスターミナルにも定刻のおよそ1時間前に到着しました。そういえば、こんな風に便名が札になっているのも珍しいですね。

　一つ手前の停留所、福島駅東口でほとんどのお客さんが降りてしまい、終点まで乗っていたのはぼく一人。エアロキングはそそくさと福島高速バスターミナルを出て行きました。

　それにしてもすごかったのは福島高速バスターミナル！この可愛らしい待合室が福島高速バスターミナルの建物のすべてです。ある程度事前に調べて（降りた後どうやって福島駅に行くか、とか）概ねわかってはいましたが、これほどとは。。。恐らく日本有数のささやかな高速バスターミナルでしょう。

　そしてこの福島高速バスターミナルから発車するバスは1日1本。大阪行きの「ギャラクシー号」ただ1本きりです。イヤ、一応バスNAVI TIMEなんかで調べてはいるんですよ。でも実際にこの現実を目の前にすると、ある種の感懐に包まれますね。

　以前訪れた「とちの木号」の始発停留所・柳田車庫のように、傍らには利用者のための駐車場が用意されています。福交カインドシェリーって何？と思いましたが、福島交通観光のツアーでたまるカインドシェリーポイントというものがあるようなので、もしかしたら福島交通観光主催の観光バスがここから出発するのかもしれません。（あてずっぽう）

　福島高速バスターミナル全景（？）。実にすがすがしい。

　さて、ここから公共交通機関を使って福島駅に出るには多分選択肢は3つ。鉄道ならJR東北本線の東福島駅もしくは阿武隈急行の卸町駅、バスなら福島北警察署停留所まで出る必要があります。この中で一番近いのは福島北警察署停留所ですが、この日の到着時刻（7時45分頃）と各交通機関の時刻表とを勘案した結果、JRの東福島駅まで歩くことにしました。もし定刻どおりに着いていたら、阿武隈急行の卸町駅まで行っていたと思います。東福島駅、ざっと徒歩20分ほどの距離でした。