クルマ

【2016F1】第13戦ベルギーGP -決勝-

2016年8月31日

2016年F1の第13戦、ベルギーGPは最終日の日曜日、決勝が行われました。マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ選手は7位入賞、ジェンソン・バトン選手は悔しいリタイアに終わりました。

今年のスパ・フランコルシャンはとてもよいお天気。気温や路面温度も上がり、今回持ち込まれた中で一番やわらかいスーパーソフトタイヤはなんとも使い難い環境に。そこにレース序盤の波乱が絡まり会い、決勝ではいろいろなドラマが生まれました。

波乱はいきなり1周目に起こりました。2番グリッドからスタートを切ったレッドブル・タグホイヤーのマックス・フェルスタッペン選手が大きく順位を落として迎えた第1コーナー、フェラーリのセバスチャン・ベッテル選手が外側、キミ・ライコネン選手が内側でコーナーに入ったさらに内側にフェルスタッペン選手が切り込み、3台が接触。ベッテル選手がスピンを喫したほか、ライコネン選手とフェルスタッペン選手も大きなダメージを負い、大きく順位を落としてしまいました。フェルスタッペン選手、ものすごく速くて上手いのですが、何かこう、無茶をする感じがデビュー直後のミハエル・シューマッハ選手を思わせます。
そう、あれは1992年のフランスGP。スタート直後にアイルトン・セナ選手に無理な仕掛けから突っ込んでリタイアに追い込み、後でセナ選手に諭されてふくれっ面をしていたシューマッハ選手。。。でもその後のシューマッハ選手の躍進は誰もが知るところで、そうするとフェルスタッペン選手も稀代の名ドライバーになるかも!期待は尽きません。

閑話休題、今回の波乱はそれだけでは済みませんでした。6周目、ルノーのケビン・マグヌッセン選手が大クラッシュ!一瞬最悪の事態が頭をよぎりましたが、マグヌッセン選手は幸い自力でクルマを出ることができました。しかしこれでレースは赤旗が提示されて一時中断。クラッシュ地点のタイヤバリア修復作業が行われました。

この波乱で得をしたのは、間違いなくメルセデスのルイス・ハミルトン選手でしょう。ハミルトン選手はパワーユニット交換のペナルティを受けて21番グリッドからのスタートでした。比較的抜きやすいサーキットとはいえ、思いがけない気温の上昇からタイヤの耐久性にも不安が残る今回のレースでは上位進出は難しいだろうと思っていたら、間違いなく上位を争うであろうベッテル、ライコネン、フェルスタッペンの3選手があっという間に脱落。最終的には3位表彰台に上ってしまいました。

そしてアロンソ選手。アロンソ選手もパワーユニット交換のペナルティで最後尾22番手からのスタートでしたが、1周目の混乱をうまくくぐり抜けて4位までジャンプアップ!赤旗再スタート後も地力に勝るハミルトン選手、ベッテル選手、そしてフォースインディア・メルセデスのセルジオ・ペレス選手に先行を許したものの、ウイリアムズ・メルセデスを筆頭とする後続を抑えて7位でフィニッシュ!マクラーレン・ホンダにとって苦手と思われていた名うての高速サーキットで、見事に結果を残して見せました。

一方、不運だったのは僚友バトン選手。9番手からのスタートでしたが、1周目の混乱冷めやらぬ中マノー・メルセデスのパスカル・ウェーレイン選手に追突されてマシン後部を破損。そのダメージは大きく、あえなくリタイアという結果に終わりました。

また、ウイリアムズのバルテリ・ボッタス選手も不運だった一人でしょう。早々にスーパーソフトタイヤを諦めてピットインしたら、その直後にマグヌッセン選手のクラッシュで赤旗。。。レース中断のときはタイヤ交換が自由に行えるので、結果として無駄なピットインを行った形となり、終盤アロンソ選手を追い詰めたものの8位フィニッシュとなりました。

とまぁ、ここまで書いてきて今回のレースのウィナーが出てこないぞ?メルセデスのニコ・ロズベルグ選手はポールポジションからスタートし、後続の大混乱をしり目に涼しい顔で(?)横綱相撲のドライビング。見事優勝を飾りました。今思えば、スタート直後とピットインそしてチェッカーを受けた時以外、ぜんぜんテレビに映っていなかった気がします。(^_^;;; それくらい盤石の勝利でした。

2位にはレッドブル・タグホイヤーのダニエル・リカルド選手が入りました。今回フェラーリの2人が不運な接触事故に沈んだとはいえ、レッドブルの速さは素晴らしい。表彰台で、ブーツにシャンパンを注いで今回インタビュアーを務めていた母国の大先輩、マーク・ウェバーさんに飲ませていた陽気さが印象的でした。

最終的な順位を見てみると、トラブル絡みとはいえ、やっぱりアロンソ選手がこのスパ・フランコルシャンでウイリアムズの2人を抑えたのは素晴らしいと思います(ボッタス選手8位、フェリペ・マッサ選手10位)。そしてトロロッソ・フェラーリは今回、何とも振るわない結果に終わりました。ダニル・クビアト選手は14位、カルロス・サインツJr.選手に至っては1周目に事故で散らばったパーツを踏んでタイヤがパンク、その後リタイアという散々な内容。おかげでマクラーレン・ホンダがコンストラクターズランキングでトロロッソを抜いて6位に上がることができたのですが、今後マクラーレン・ホンダを抜かない程度に(汗)奮起を期待したいものです。

というわけで、たぶん上り調子なマクラーレン・ホンダ。今週末のイタリアGPもがんばれ!

決勝レース結果

?順位 ?No. ?ドライバー ?チーム
1 6 N・ロズベルグ メルセデス
2 3 D・リカルド レッドブル
3 44 L・ハミルトン メルセデス
4 27 N・ヒュルケンベルグ フォースインディア
5 11 S・ペレス フォースインディア
6 5 S・ベッテル フェラーリ
7 14 F・アロンソ マクラーレン
8 77 V・ボッタス ウイリアムズ
9 7 K・ライコネン フェラーリ
10 19 F・マッサ ウイリアムズ
11 33 M・フェルスタッペン レッドブル
12 21 E・グティエレス ハース
13 8 R・グロージャン ハース
14 26 D・クビアト トロロッソ
15 30 J・パーマー ルノー
16 31 E・オコン マノー
17 12 F・ナッセ ザウバー
DNF 20 K・マグヌッセン ルノー
DNF 9 M・エリクソン ザウバー
DNF 55 C・サインツJr. トロロッソ
DNF 22 J・バトン マクラーレン
DNF 94 P・ウェーレイン マノー

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