2016年F1の第14戦、イタリアGPは9月2日の金曜日にフリー走行1回目&2回目、3日の土曜日にフリー走行3回目と予選が行われました。舞台はイタリアのモンツァサーキット。名うての高速コースです。
フリー走行1回目&2回目
このイタリアGPを前に、ウイリアムズ・メルセデスのフェリペ・マッサ選手が今季限りでの引退を表明しました。2002年にザウバーからF1デビューを果たし、以降フェラーリ、ウイリアムズと渡り歩いてきたマッサ選手。2008年シーズンは、最終戦ブラジルGPで優勝し、ワールドチャンピオン獲得かと思ったところに後方でルイス・ハミルトン選手が最終ラップで順位を上げてゴールしたため、1ポイント差で涙を呑む…といったドラマを生みました。
マッサ選手というと、ミハエル・シューマッハ選手、キミ・ライコネン選手、フェルナンド・アロンソ選手等そうそうたるドライバーとチームメイトになり、最強のセカンドドライバーという印象があります。もし2008年にワールドチャンピオンを獲れていたら、さらに一段飛躍できていたのかな。引退発表後の各ドライバーのコメントを見ていると、マッサ選手の人柄の良さが伝わってきます。ともあれ、今シーズンも残り8戦、かつての輝きをまた見せてほしいものです。
しかし金曜日のフリー走行では、マッサ選手は1回目14位、2回目11位とやや低調に終わりました。エンジンやブレーキにトラブルが発生してあまり走り込めなかったマッサ選手、予選に期待です。
マクラーレン・ホンダに目をやると、フェルナンド・アロンソ選手は1回目13位、2回目7位。僚友ジェンソン・バトン選手は1回目11位、2回目10位と期待の持てる結果に。前戦ベルギーに続いて高速サーキットのここイタリアでも結果を残せれば、チームにとって大きな進歩を遂げられることになります。
そして好調なのはハース・フェラーリ。ロマン・グロージャン選手が1回目6位、2回目9位。エステバン・グティエレス選手が1回目9位、2回目14位のタイムを記録。いよいよQ3進出という目標が現実味を帯びてきました。マクラーレン・ホンダにとっては脅威です。
対照的に最近元気がないのがトロロッソ・フェラーリ。カルロス・サインツJr.選手は1回目16位、2回目17位。ダニル・クビアト選手は1回目17位、2回目20位と、後方に沈む形となりました。
フリー走行3回目
土曜日の午前中、フリー走行3回目が行われました。
今回、フェラーリ勢がやや元気です。ここ最近はレッドブル・タグホイヤー勢の後塵を拝する機会が多かったのですが、今回はずっとメルセデスの直後の地位を占めています。セバスチャン・ベッテル選手は3位、キミ・ライコネン選手は4位のタイムを記録。
また、ウイリアムズ勢の健闘が光った今回のフリー走行3回目。バルテリ・ボッタス選手が5番手、マッサ選手が6番手のタイムを記録しました。まぁ、これはレッドブル勢がずっとソフトタイヤでロングランを行っていたから…という事情もありそうですが。予選ではどうなるか。
そして雲行きが怪しくなってきたのがマクラーレン・ホンダ。。。バトン選手は12位でしたが、アロンソ選手は17位タイムにとどまりました。
予選
今回もQ1でマノー・メルセデスのパスカル・ウェーレイン選手が素晴らしい走りを見せました。15位のタイムを記録して見事Q2進出。そうなるとチームメイトのエステバン・オコン選手がろくに走れずにQ1を終えてしまったのが残念でしたが、やはりメルセデスパワー、恐るべしという感じです。
マクラーレン・ホンダは14位にバトン選手、16位にアロンソ選手が入り、辛うじてQ1を通過しました。アロンソ選手は金曜日から今回は厳しい戦いになるとコメントしていましたが、そのとおりの展開に。。。
案の定、Q2でマクラーレン勢は敗退を喫してしまいます。アロンソ選手が13番手、バトン選手は15番手。間にマノーのウェーレイン選手をはさむ形となりました。そしてマッサ選手も残念ながら11位でQ2突破ならず。僚友ボッタス選手が5位に躍進しただけに残念ですが、決勝レースでの巻き返しに期待です。
最終的にはメルセデスのハミルトン選手が2位のニコ・ロズベルグ選手に0.5秒近くの差をつけてポールポジション。以下フェラーリのベッテル選手、ライコネン選手と続き、好調ウイリアムズのボッタス選手がレッドブル勢を抑えて5番手に滑り込みました。
そしてハースのグティエレス選手は見事Q3進出!最終的に10位となり、好調ぶりをアピールする形となりました。
一方、トロロッソ勢はサインツ選手が16位、クビアト選手に至ってはQ1敗退の17位と、不調に喘いでいます。後半戦に入り、各チームの勢力図も徐々に書き換えられているようです。
そんな中苦しい戦いが続きますが、がんばれマクラーレン・ホンダ!