今年もF1な季節がやってまいりました!
2017年F1の開幕戦、オーストラリアGPは最終日の日曜日、決勝が行われました。マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ選手は悔しいリタイアに終わりましたが、ストフェル・バンドーン選手は13位で見事に完走を果たしました。
新しいレギュレーション下で行われる今回のレース、グリッド降格関連のペナルティが与えられていた選手は2人。ウイリアムズ・メルセデスの新人ランス・ストロール選手はフリー走行3回目のクラッシュでギアボックス交換を行ったことにより5グリッド降格。でも彼の場合は予選順位が19位だったので、どのみち最後尾グリッドになります。また、予選Q3でクラッシュしてしまったレッドブル・タグホイヤーのダニエル・リカルド選手もギアボックス交換で10番手から5グリッド降格。15番グリッドからの出走となるはずだったのですが…。
やはり開幕戦!序盤から様々な波乱が。
各マシンが自分のグリッドに向けて走る中、リカルド選手が途中でストップしてしまいます。マシンはトラックに載せられて何とかピットに戻りますが、レースのスタートには間に合わず、早々に戦線離脱という辛酸をなめる形になりました。その後フォーメーションラップが行われますが、スタートが何故かいったん中止になり、もう1周フォーメーションラップが行われることになりました。原因としては、フジテレビNEXTでは本来17番グリッドだったハース・フェラーリのケビン・マグヌッセン選手がリカルド選手の抜けた15番グリッドについてしまったという説、DAZNではルノーのニコ・ヒュルケンベルグ選手がグリッドのラインを越えて停止した(グリッドを越えて止まると、スタート時のフライングの判断が利かなくなる)という説を唱えていました。いったいどっちだったんだろう?いずれにせよ、いろいろと波乱含みのスタートです。
そして波乱はやはり1周目から起こります。マグヌッセン選手とザウバー・フェラーリのマーカス・エリクソン選手がいきなり絡んでコースオフ。早速審議対象になってしまいます(後ほどお咎めなしの裁定)。しかし両者ともどうやらコースには戻って戦線復帰を果たしました。
上位陣はおおむね無難なスタート。クラッチミートのタイミングが前年よりも難しくなったとのことでしたが、フェラーリのセバスチャン・ベッテル選手がややもたついたように見えたのと、同じくフェラーリのキミ・ライコネン選手が危うくレッドブルのマックス・フェルスタッペン選手に抜かれかけたことを除けば順当に周回に入って行きました。
中団グループでは、やっぱりアロンソ選手!12番グリッドからのスタートだったのですが、スタート後にちゃっかり11番手の地位を獲得。昨シーズンもスタート直後のジャンプアップ大魔王の座をほしいままにしたアロンソ選手、ガンバレ!そしてずっとピットの中でくすぶっていたリカルド選手は、2周遅れでようやくピットを出て戦列に加わります。
しかしやっぱりマクラーレンにはトラブルが…。(>_<)バンドーン選手のマシンに、ステアリングのディスプレイが消えるトラブル発生。たぶんぼくらのクルマでメーターパネルの照明が消えるなんていう生易しいレベルではないんでしょうね。(^_^;;; 10周目にバンドーン選手はピットイン。システム再起動(PCみたいだな)を行ってコースに戻って行きました。
そして予選好調だったハースのロマン・グロージャン選手が15周目に白煙を吹きながらピットイン。そのままこのレースのリタイア第1号となってしまいました。そして18周目には、ルノーのジョリオン・パーマー選手がリタイア。やはり開幕戦、いろいろなチームにトラブルが襲いかかります。
そんな中、アロンソ選手はグロージャン選手のリタイアによって何とポイント圏内の10位にポジションアップ。17周目にはタイヤをスーパーソフトに交換し、一見順調に周回を重ねて行ったように見えましたが、後ほど序盤からブレーキダクトやフロアが破損してしまっていたことがわかりました。
中盤、タイヤ交換で明暗!ベッテル選手がトップに。
17周目、トップを走っていたメルセデスのルイス・ハミルトン選手がピットイン。それまでタイヤのグリップ難を訴えていたハミルトン選手はソフトタイヤに履き替えてコースに出て行きましたが、いかんせんその場所が悪かった。レッドブルのマックス・フェルスタッペン選手がタイヤ交換を遅らせる作戦で結果的に先を急ぐハミルトン選手の前を塞ぐ形となり、ハミルトン選手はニュータイヤでありながら思うようにペースを上げられません。
そしてそれを見逃さなかったのが序盤戦2番手を走っていたフェラーリのセバスチャン・ベッテル選手。23周目にソフトタイヤに交換し、フェルスタッペン選手の直前でコースインすることに成功しました。その後はもうイケイケドンドン。25周目にフェルスタッペン選手がピットインするまで、存分にハミルトン選手とのギャップを広げる形となりました。DAZN中継で小倉茂徳さんがおっしゃっていた「これでベッテル選手が優勝したら、祝勝パーティーにフェルスタッペン選手を招かなきゃいけないね」っていうコメントに、つい笑ってしまいました。
しかし笑ってばかりもいられません。29周目にはリカルド選手がストップ。奮闘むなしく、リタイアとなってしまいました。リカルド選手にとっては無念極まりない母国GPとなってしまいました。リカルド選手の表彰台での「シューイ」、オーストラリアでこそ見たかったよ~。(>_<)
そしてフェラーリ歓喜のチェッカー!
これまでの山あり谷ありな展開に比べると、終盤戦は意外なほど淡々と進みました。しかし50周目にマグヌッセン選手がストップ。そしてずっと10位の座を守っていたアロンソ選手も、「マシンが左に流れる」と訴えた刹那、入賞圏内を争っていたフォースインディア・メルセデスのエステバン・オコン選手とルノーのヒュルケンベルグ選手に立て続けに抜かれてしまい、53周目にピットイン。無念のリタイアとなってしまいました。でも、ここまでの走りは本当に見事でした。現在のマクラーレンにアロンソ選手がいてくれることに感謝しないといけませんね。
そしてここまで目立たなかったメルセデスのバルテリ・ボッタス選手が地道に3位を走行し、ハミルトン選手とのギャップを縮めて行きます。また、5位のフェルスタッペン選手も4位のライコネン選手を追い上げて行きますが、バトルに持ち込むまで至らないうちにトップを快走するベッテル選手が歓喜のチェッカー!昨年1勝もできなかったフェラーリ、見事な開幕戦勝利を収めました。ベッテル選手にとっては通算47勝目。まだ今季を占うには早すぎますが、昨季よりはもつれた展開を期待したいものです。
中位グループでは、ウイリアムズのフェリペ・マッサ選手が気を吐きました。そしてフォースインディアとトロロッソがそれぞれ2人とも入賞。ルノーは試合巧者のヒュルケンベルグ選手が頑張りましたが11位に終わりました。そして12位にはザウバーのジョビナッツィ選手!急遽お鉢が回ってきた今回のレース、見事に結果を残して見せました。
そして我らがマクラーレン・ホンダは、序盤からトラブルに悩まされたバンドーン選手が我慢の走りで13位完走!きっとバルセロナテストで満足に走れなかった分、貴重なデータを残してくれたものと思います。そしてアロンソ選手も入賞圏内を長く走行し、終盤までマシンを導いてくれました。今回の走行結果が、暗雲たちこめるマクラーレンへの一筋の光明となるよう、願ってやみません。これからも苦戦が続くと思いますが、がんばれマクラーレン・ホンダ!
決勝レース結果
?順位 | ?No. | ?ドライバー | ?チーム |
1 | 5 | S・ベッテル | フェラーリ |
2 | 44 | L・ハミルトン | メルセデス |
3 | 77 | V・ボッタス | メルセデス |
4 | 7 | K・ライコネン | フェラーリ |
5 | 33 | M・フェルスタッペン | レッドブル |
6 | 19 | F・マッサ | ウイリアムズ |
7 | 11 | S・ペレス | フォースインディア |
8 | 55 | C・サインツJr. | トロロッソ |
9 | 26 | D・クビアト | トロロッソ |
10 | 31 | E・オコン | フォースインディア |
11 | 21 | N・ヒュルケンベルグ | ルノー |
12 | 19 | A・ジョビナッツィ | ザウバー |
13 | 2 | S・バンドーン | マクラーレン |
DNF | 14 | F・アロンソ | マクラーレン |
DNF | 20 | K・マグヌッセン | ハース |
DNF | 18 | L・ストロール | ウイリアムズ |
DNF | 3 | D・リカルド | レッドブル |
DNF | 9 | M・エリクソン | ザウバー |
DNF | 30 | J・パーマー | ルノー |
DNF | 8 | R・グロージャン | ハース |