9月17日(日)、2017年F1第14戦シンガポールGPの決勝レースが行われました。マクラーレン・ホンダはフェルナンド・アロンソ選手がリタイアに終わったものの、ストフェル・バンドーン選手が7位入賞!今シーズン最上位チェッカーを果たしました。
シンガポールGPは市街地コースでの開催。ツイスティなサーキットは我らがマクラーレン・ホンダにとって比較的有利なコースレイアウト。その期待を裏付けるように、土曜日に行われた予選ではアロンソ選手が8番手、バンドーン選手が9番手のタイムを記録しました。上位3チーム6台は別格として、目の上のたんこぶは7番手のルノー、ニコ・ヒュルケンベルグ選手か。
ポールポジションはフェラーリのセバスチャン・ベッテル選手。そして好調レッドブル・タグホイヤーはマックス・フェルスタッペン選手が2番手、ダニエル・リカルド選手が3番手に陣取ります。続いて4番手はフェラーリのキミ・ライコネン選手。メルセデス勢はルイス・ハミルトン選手が5番手、バルテリ・ボッタス選手が6番手と波乱を予感させるグリッドとなりました。
スタート直後のアクシデント、上位3台が露と消える。
スタート直前、突然の大雨がサーキットを襲いました。これまでこのレースがウエットコンディションで行われたことはありません。チームによってインターミディエイトタイヤとウェットタイヤの選択が分かれ、スタートを迎えることになりました。むぅぅ、荒れそうな予感しかない。。。(>_<)
案の定レーススタート直後、波乱が起こります。スタートダッシュをうまく決めたのはポールポジションのベッテル選手。一方2番手のフェルスタッペン選手はやや後れをとり、後方のライコネン選手に左側から並ばれます。しかしここでベッテル選手がフェルスタッペン選手を牽制するコース取りをしたため、行き場を失ったフェルスタッペン選手は左側にいたライコネン選手と接触。その衝撃で左サイドウォールから右側に弾き飛ばされた両者はベッテル選手、そして8番手から超絶素晴らしいスタートダッシュを決めたアロンソ選手を巻き込んでクラッシュ!おいおい。。。その直後にベッテル選手はスピンを喫してリタイア。アロンソ選手は辛うじて走り続けたものの、レース開始後数秒にして3強チーム6台のうち3台が消えるという大変な事態となりました。そしてこの混乱をかいくぐったのはハミルトン選手、リカルド選手、そしてボッタス選手でした。
このクラッシュで当然のごとくセーフティカーが介入。これまで10回開催されたシンガポールGP、セーフティカー発動率100%は今年も維持されてしまいました。この時点でバンドーン選手は7位、空中を舞うほどぶつけられたアロンソ選手は12番手。なんとか走行を続けています。
アロンソ選手失意のリタイア、そしてバンドーン選手の輝き。
さて、いわばもらい事故の後も果敢に走り続けたアロンソ選手。しかし左側後輪近くを破損してしまった影響は大きく、ピットにテレメトリーも届かなくなり8周したところで無念のリタイア。Q3進出の勢いを生かせませんでした。
そして11周目、トロロッソ・ルノーのダニル・クビアト選手がクラッシュを喫して再度セーフティカー導入。水はけのよくない市街地路面、アクシデントは続きます。このセーフティカー導入時点でバンドーン選手は9番手となっていました。そして21周目、バンドーン選手はウイリアムズ・メルセデスのランス・ストロール選手をパス!8番手へと順位を上げます。
ヒュルケンベルグ選手無念のリタイア。そしてハミルトン選手望外の優勝!
今回のレース、実は大相撲のスロー出世的な記録がかかっていました。その対象はルノーのニコ・ヒュルケンベルグ選手。彼は前回イタリアGPでF1参戦128戦を数えましたが、その中で表彰台に上る機会がありませんでした。これまでF1で表彰台に上ることのなかった選手で最大の参戦数を記録したのはドイツのエイドリアン・スーティル選手。その数128戦で、前戦でヒュルケンベルグ選手はそれに並んだ形となりました。このレース、7番グリッドからスタートしたヒュルケンベルグ選手は突然の雨を幸いと上位を快走!表彰台をうかがう勢いを見せました。荒れたコンディションはヒュルケンベルグ選手の得意とするところです。
しかし好事魔多し。ルノーのマシンに異常をきたし、ヒュルケンベルグ選手は無念のリタイア。彼に限らず今回のレースではリタイアが相次ぎ、完走したのはわずか12台と、サバイバルレースになってしまいました。
そんな中、粘り強く走り続けたバンドーン選手は見事7位完走!キャリアハイを達成しました。他にもトロロッソ・ルノーのカルロス・サインツJr.選手が4位、ルノーのジョリオン・パーマー選手が6位といずれも自身最高位を記録。地力を見せた形となりました。
そして荒れたレースをトップチェッカーでまとめたのはハミルトン選手!フェラーリに比べて不利とされていたこのサーキットで、数あまたのアクシデントをくぐり抜けて優勝を遂げました。これでリタイアに終わったベッテル選手とのポイント差は28点。2017年のシリーズチャンピオンの座をぐっとたぐり寄せました。そして2位にはリカルド選手、3位にはボッタス選手が入りました。
とまぁそんなわけで、今シーズンも勝利の女神はメルセデスに微笑んだかな?と思わせたシンガポールGPとなりました。でもフェラーリにもまだ反攻の余地は残されているはず。今後も白熱したレースを期待したいと思います。そして今シーズン限りとなったマクラーレン・ホンダ。アロンソ選手は不運すぎるリタイアに見舞われましたが、バンドーン選手は着実な走りを披露。マクラーレンそしてホンダ、お互いに来シーズンに向けて、これからの終盤戦が重要になってきます。お互いがWin-Winの結果を得られるよう、これからもがんばれマクラーレン・ホンダ!
決勝レース結果
?順位 | ?No. | ?ドライバー | ?チーム |
1 | 44 | L.ハミルトン | メルセデス |
2 | 3 | D.リカルド | レッドブル |
3 | 77 | V.ボッタス | メルセデス |
4 | 55 | C.サインツJr. | トロロッソ |
5 | 11 | S.ペレス | フォースインディア |
6 | 30 | J.パーマー | ルノー |
7 | 2 | S.バンドーン | マクラーレン |
8 | 18 | L.ストロール | ウイリアムズ |
9 | 8 | R.グロージャン | ハース |
10 | 31 | E.オコン | フォースインディア |
11 | 19 | F.マッサ | ウイリアムズ |
12 | 94 | P.ウェーレイン | ザウバー |
DNF | 20 | K.マグヌッセン | ハース |
DNF | 27 | N.ヒュルケンベルグ | ルノー |
DNF | 9 | M.エリクソン | ザウバー |
DNF | 26 | D.クビアト | トロロッソ |
DNF | 14 | F.アロンソ | マクラーレン |
DNF | 5 | S.ベッテル | フェラーリ |
DNF | 33 | M.フェルスタッペン | レッドブル |
DNF | 7 | K.ライコネン | フェラーリ |