折に触れてちまちまと買い足してきたSDXCカード、最近になってUHS-II規格のカードも増えてきました。というわけで、手持ちのカードの読み書きスピードや容量など、ベンチマークソフトを使って調べてみました。
調査環境
もうかれこれ組み立ててから4年弱が経ったWindows11Proの自作機にサンディスク社のカードリーダー、SDDR-A631を接続。ソフトは定番?のCrystal Disk MarkとH2testwの2種類です。
速さの規格
SDカードの表面には、いろいろ細かい数字が書いてあります。はじめにその数字の持つ意味についておさらいしておきましょう。
➀から⑦まで数字を振りましたが、それぞれ以下のような意味を持っています。(カードによっては書いてないものもあります)
➀カードの容量(128GB。これはまぁ、その通りです。メーカーさんの言い値)
②読み書き速度(Read:300MB/s,Write299MB/s。条件が良ければこのくらい出せますよというメーカーさんの言い値)
③ビデオスピードクラス(V90。このカードの場合、最低でも90MB/sで書込みできますよという値)
④UHSスピードクラス(3。このカードの場合、最低でも30MB/sで書込みできますよという値)
⑤容量規格(SDXC。32GB超2TBまでの容量がこの規格に入ります)
⑥バスインタフェーススピード(II。最大312MB/sでデータ転送できますよという値)
⑦スピードクラス(10。このカードの場合、最低でも10MB/sで書込みできますよという値)
見るとわかるように、このうち③、④、⑦はいずれも最低保証速度についての規格です。これは技術の発展とともに、次第に機器類に要求される性能が高まってきたためにだんだん上位の規格が作られてきた…ということのようです。なので、これだけ書いてあるカード上の表示も、いずれは整理されて行くのかもしれません。ともあれ、今回はこの中で⑥の表示がII…つまりUHS-II規格のSDXCカードを集めてみました。
それでは測ってみましょう
Nextorage UHS-II SE 256GB (NX-F2SE256G)
最初に取り上げるのはNextorage社の中で2番目のグレードの256GBモデルです。カードに書いてある情報は以下のとおり。
➀カードの容量:256GB
②読み書き速度:Read:280MB/s
③ビデオスピードクラス:V60(最低保証速度60MB/s)
④UHSスピードクラス:3(最低保証速度30MB/s)
⑤容量規格:SDXC
⑥バスインタフェーススピード:II
⑦スピードクラス:10(最低保証速度10MB/s)
続いて、Crystal Disk MarkとH2testwの実行結果です。Crystal Disk Markの方は基本的に1000バイト単位の計算になっているのですが、それを加味しても全体的にH2testwの方が低めに表示されています。これはCrystal Disk Markが計測時の最速値を表示するのに対し、H2testwは平均値を表示するようになっているからかな?
H2testwでは、読込199MB/s、書込161MB/sを記録。まずは文句のない数値をたたき出してくれました。容量は240,720MBとなっています。
SUNEAST ULTIMATE PRO SDXC UHS-II Card (SE-SDU2256GB280)
続いては、SUNEASTブランドを展開する旭東エレクトロニクス社のUHS-IIカード。V90シリーズ、V60シリーズとあるうちこちらはV60の方です。カードに書いてある情報は以下のとおり。
➀カードの容量:256GB
②読み書き速度:Read:280MB/s、Write150MB/s
③ビデオスピードクラス:V60(最低保証速度60MB/s)
④UHSスピードクラス:3(最低保証速度30MB/s)
⑤容量規格:SDXC
⑥バスインタフェーススピード:II
⑦スピードクラス:記述なし
Crystal Disk Markの計測結果はこんな感じ。全般に、先のNextorage社のカードより若干高い値を示しています。測定誤差程度ではありますが…。
それがH2testwでは、読込194MB/s、書込159MB/sと、微妙にNextorage社のカードの方が高い値に。いずれにせよ、こちらも十二分な性能を持っています。容量はNextorageと同じく、240,720MBとなっています。
ProGrade Digital SDXC UHS-II V60 GOLD 256GB
3番目はプログレードデジタル社のビデオスピードクラス60のSDXCカード。表面には以下のような記述があります。
➀カードの容量:256GB
②読み書き速度:Read:250MB/s
③ビデオスピードクラス:V60(最低保証速度60MB/s)
④UHSスピードクラス:3(最低保証速度30MB/s)
⑤容量規格:SDXC
⑥バスインタフェーススピード:II
⑦スピードクラス:10(最低保証速度10MB/s)
Crystal Disk Markでの計測結果。カード表面に記載の読込み速度に迫る数値を出しています。素晴らしい!
そしてH2testwではこのような結果に。読込195MB/s、書込155MB/s。そして容量は244,248MBとなっています。上二つのカードよりちょっとだけ多く使える?
Lexar Professional 1000x 256GB
そしてだいぶ前に購入したLexar社製のこちらのSDXCカード。既に結構代替わりしていて、今ではUHS-I規格なのに1066x、読込速度160MB/sを謳うカードも出てきていますが、たぶんぼくが購入した最初のUHS-II規格のカードということでご紹介します。
➀カードの容量:256GB
②読み書き速度:Read:150MB/s
③ビデオスピードクラス:V60(最低保証速度60MB/s)
④UHSスピードクラス:3(最低保証速度30MB/s)
⑤容量規格:SDXC
⑥バスインタフェーススピード:II
⑦スピードクラス:10(最低保証速度10MB/s)
こちらのカード、やや古いということもあり、ご覧のように上記3枚のカードより読み書き性能は低くなります。でもまぁ、8K映像とかを扱うのでない限り、実用上問題はなさそうです。
そしてH2testwではこのような結果に。読込138MB/s、書込92.5MB/sと、ぼくの使い方では困ることはまずないかな。容量は238,655MBとなっています。
Nextorage UHS-II Pro 128GB (NX-F2PRO128G)
最後に、ぼくの手持ちで最高峰のカード、Nextorage社のUHS-II Proです。唯一のビデオスピード規格90の持ち主。
➀カードの容量:128GB
②読み書き速度:Read:300MB/s、Write:299MB/s
③ビデオスピードクラス:V90(最低保証速度90MB/s)
④UHSスピードクラス:3(最低保証速度30MB/s)
⑤容量規格:SDXC
⑥バスインタフェーススピード:II
⑦スピードクラス:10(最低保証速度10MB/s)
さすがのスピード。読込み速度もさることながら、書込み速度も爆速です。
いや、素晴らしい。書込215MB/s!1秒で2HDの3.5インチフロッピーディスク150枚弱に書き込める計算です(どんなんだ)。書込速度が読込速度を上回っているのもすごい。デジタルカメラのストレージ用として、まさにうってつけな感じです。容量は118,030MB。
まとめ
というわけで、手持ちの一線級のSDXCカードたちのパフォーマンスを測定してみました。とりあえずどのカードも、ぼくの運用スタイルには十二分な性能を発揮できそうです(実際不便を感じたことはありません)。ただ、RAW非圧縮+JPEGエクストラファイン画質でひたすら連写…なんてことをやるとさすがに渋滞が発生するかな?ちょっと面白そうなので、この年末年始に試してみようと思います。