今にして思えば、昨年から今年にかけてF1ドライバーのラインアップはそれほど変化がなかったように思います。3強であるメルセデス、フェラーリ、レッドブル・タグホイヤーのドライバーはいずれも留任、他にもハース・フェラーリ、フォースインディア・メルセデス、ホンダからパワーユニットを載せ替えたマクラーレン・ルノーの3チームもそれぞれ二人のドライバーが留任となりました。ぼく個人的には、フェリペ・マッサ選手の引退とパスカル・ウェーレイン選手がシートを失ったのが印象に残ったシーズンオフでした。
そして今年。来る2019年シーズンに向けて、夏休みを境にストーブリーグが俄然過熱してきたように思います。その嚆矢を放ったのはもちろん、ダニエル・リカルド選手。8月初旬、突如としてルノーへの移籍を発表し、そこから2019年のシート模様が一気に様変わりしました。
リカルド選手のルノー移籍からのドミノ倒し
リカルド選手の移籍するルノーはいち早くニコ・ヒュルケンベルグ選手の留任を発表、そのため現在の相棒、カルロス・サインツJr.選手がレッドブルグループに戻るのかと思いきや、来季からホンダのパワーユニットを積むレッドブルは、リカルド選手の後任にトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー選手を指名。マックス・フェルスタッペン選手とコンビを組むことになりました。その結果サインツ選手は、レッドブルではなくマクラーレンへの移籍を発表しますが、そのマクラーレンはマクラーレンでフェルナンド・アロンソ選手が来季はF1で走らないことを表明、そこでストフェル・バンドーン選手が留任かと思いきや新星ランド・ノリス選手が登用され、バンドーン選手は一転、来季のシートを探す羽目に陥っています。
フォースインディア、チーム存続の危機が引き起こしたシート争い
その一方、リカルド選手とは異なる大きな波も。破産の憂き目に遭っていたフォースインディア・メルセデスの危機を救ったのは、現在ウイリアムズ・メルセデスを駆るランス・ストロール選手の父君、ローレンス・ストロール。となれば、今のところ明らかにウイリアムズより戦闘力の高いフォースインディアのマシンに息子のランス選手が乗ることはもはや自明。その結果、フォースインディアからはじき出されるのは若手の成長株、エステバン・オコン選手とみられています。しかしオコン選手にはハース・フェラーリが興味を示しているらしく、もしかしたら今季思うような結果を残せていないロマン・グロージャン選手に代わってハース入りするかもしれません。
どうなる来季のトロロッソ
そして我らがトロロッソ・ホンダ。上述のようにガスリー選手がレッドブルに昇格(?)し、これまで比較的結果を残せていないブレンドン・ハートレー選手は残留できる可能性がちょっと高くなったかな…?ガスリー選手の後には、昨年トロロッソを追われたダニル・クビアト選手か、はたまたマクラーレンを出るバンドーン選手か。。。ぼく個人的にはバンドーン選手がいいなぁ、と思っているのですが、昨年あの悪しざまな物言いをされているだけに、数多いホンダファンから怨嗟の声が聞かれそうです。あるいは過去トロロッソ経験者で現在フォーミュラEで活躍中のセバスチャン・ブエミ選手とかジャン・エリック・ベルニュ選手とか…。興味は尽きません。
フェラーリの新陳代謝とベテランの原点回帰
…なんて思っているうちに、つい先ごろ飛び切りビッグな話題が!そう、言うまでもなくフェラーリのキミ・ライコネン選手とザウバー・フェラーリの大物ルーキー、シャルル・ルクレール選手との交換トレードです。いやぁ、そう来ましたか。ルクレール選手のフェラーリ入りはともかく、ライコネン選手のザウバー移籍が意外な感じです。でも思えばザウバーは2001年にライコネン選手がF1デビューを飾ったチーム。20年近くの時を経てライコネン選手がどう古巣ザウバーのマシンを駆るのか、今から楽しみです。今のところ移籍関係の話はこんなところかな?
そして別天地なメルセデス。
…とここまで書いてきて、まだ触れていないチームが一つだけあることに気がつきました。。。そう!メルセデスです。来季もルイス・ハミルトン選手とバルテリ・ボッタス選手のタッグで戦うメルセデス、王者の備えは万全といったところでしょうか。逆に言えば、今季と来季でドライバーが変わらないことが今の段階で決まっているのはメルセデスだけ、ということに。いやぁ、やっぱり2017→2018と比べると激動な今年です。
…というわけで、この流れだと来季、メルセデスの安定っぷりばかりがクローズアップされそうです。(^_^;;; でもそれではいかにも面白くない。他のチームにも今以上にがんばってもらわないといけません。そして何よりホンダ!今は何しろマクラーレンがああいう状態なのでお目こぼしをもらっている様相ですが、来季手にするレッドブルの天下一品なシャシーをもしまともに走らせられなかった場合、今度こそ総てが終わるような気がします。逆にこれまでの血のにじむような努力が実を結べば、一躍「勝てるパワーユニット」として復権を遂げられるかもしれません。フェルスタッペン選手、ガスリー選手の若い力にも期待したいですね。これからも決して平坦な道ではないと思うけれど、がんばれホンダ!!