ここは謙虚に、開幕4戦連続1-2フィニッシュを讃えましょうか。ぐぬぬ。
カスピ海の西岸に位置する旧ソ連の国、アゼルバイジャン共和国。4月26日~28日、その首都バクーに設置された市街地コースでF1第4戦アゼルバイジャンGPが開催されました。フリー走行絶好調、でも予選でつまづき、決勝で劣勢を覆せずに終わる…今後フェラーリのテンプレートになるかもしれません。(>_<)王者メルセデスはポールポジションからスタートしたバルテリ・ボッタス選手が優勝、2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン選手が2位に入り、開幕から4戦連続の1-2フィニッシュを達成しました。一方我らがレッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペン選手が4位に入り、第2戦以降3連続4位。(^_^;; 僚友ピエール・ガスリー選手は車重測定無視や燃料流量違反と散々な週末ながらピットスタートから着実な走りを見せて6位まで上がるもののドライブシャフト破損で惜しくもリタイア。また姉妹チームのトロロッソ・ホンダでは新人アレクサンダー・アルボン選手が11位完走を果たしたものの、ダニル・クビアト選手はルノーのダニエル・リカルド選手に絡まれてリタイア。禍福相半ばする結果となりました。
フリー走行1回目
金曜日のフリー走行1回目はわずか10分余りで終わりました。ウイリアムズ・メルセデスのジョージ・ラッセル選手が走行中、何とマンホールの蓋を巻き上げてしまいマシンを破損。こりゃ危険だということで大急ぎでコースの安全確認を行ったため、多くのチームが走行できずに終わりました。
でもそういえば以前も似たようなことがなかったっけ…と思ったら、ボッタス選手がウイリアムズ時代、ピットレーンの側溝の蓋が外れてダメージを負っていました。どうやらウイリアムズは、この市街地コースと相性が悪いようです。(本当かね
フリー走行2回目
というわけで事実上の初走行となったフリー走行2回目。1-2はフェラーリが決めましたが、ここでホンダ勢が輝きを放ちました。レッドブルのフェルスタッペン選手がメルセデス勢二人の間に割って入る4番手タイムを記録。続いてトロロッソ・ホンダのダニル・クビアト選手が6位、アレックス・アルボン選手が8位、レッドブルのガスリー選手が9位のタイムを記録しました。なんと上位10台の中にホンダのマシン4台!なんて素晴らしい。それでもこのときクビアト選手はクラッシュを喫して赤旗中断の原因を作り、ガスリー選手は走行後の車重計測を怠ったかどでピットレーンスタートのペナルティを受ける羽目になるという、なんともお騒がせな金曜日の午後でした。
ちなみにこの走行でのトップ10はフェラーリ、メルセデス、レッドブル、トロロッソが2台ずつ、あとの2台はマクラーレン・ルノーでした。何だかんだで流石です。
フリー走行3回目
明けて土曜日のフリー走行3回目、相変わらず天馬空を行くフェラーリは1-2体制を築きます。このときフェルスタッペン選手が見事3位タイムを記録したのですが、それより1秒速い。(^_^;; 誰もがフェラーリの復権を予感した筈です。我らがホンダ勢はトロロッソのクビアト選手が6位、アルボン選手が8位と好調をキープ。一方ガスリー選手はペナルティを受けてすねてしまい・・・というわけではなく、決勝での戦いを想定したロングランに時間を割いて20番手タイムにとどまりました。
予選
Q1:なんだかんだでトップタイムですよホンダ。
そして迎えた予選。最初のタイム合戦ではフェラーリのシャルル・ルクレール選手がトップタイムをマーク。メルセデス勢2人がそれに続き、セバスチャン・ベッテル選手は4番手。これまで正直パッとしなかったアルファロメオ・フェラーリのアントニオ・ジョビナッツィ選手が5位につけて気を吐きます。その一方、ウイリアムズはロバート・クビサ選手がクラッシュを喫してしまいセッションは赤旗中断に。前日のラッセル選手といい、本当に祟られているんじゃないかと思うほどの展開です。
そして2回目のアタックでは何とガスリー選手が1番時計を記録!続いてルクレール選手、ハミルトン選手、フェルスタッペン選手、マクラーレンのカルロス・サインツJr.選手がベスト5。トロロッソはアルボン選手10位、クビアト選手12位と無事Q1通過を果たします。
でもここでもガスリー選手にケチがつきます。今度は走行時の燃料の流量が規定値をオーバーしたとかで、予選タイム抹消の憂き目に。。。ウイリアムズ同様、ガスリー選手もついていないアゼルバイジャンです。
Q2:今度はフェルスタッペン選手が来た!
Q2ではフェルスタッペン選手が輝きました。Q1のガスリー選手に続いてトップタイムをマーク。最終結果ではないとは言え、メルセデスやフェラーリとガチで張り合えるようになってきました。気が早いかもしれませんが、今後のコースや条件によっては案外ポールポジションも手の届く場所にあるのかもしれません。
また、ここアゼルバイジャンでは滅法強いのがレーシングポイント・メルセデスのセルジオ・ペレス選手。Q2でも4位に入って余裕のQ3進出を決めます。さすが過去2回ここで表彰台に上がっているだけのことはあります。
しかしフェラーリには暗雲がたちこめます。いつものようにQ2ではミディアムタイヤで結果を出し、決勝レースで優位に立とうという戦略をとったフェラーリですが、ルクレール選手がクラッシュを喫してしまいます。既にQ2通過には十分なタイムを記録していたルクレール選手でしたが、これは痛かった。。。ベッテル選手も5番手タイムにとどまります。また、トロロッソ勢はクビアト選手がQ3進出を果たしたもののアルボン選手は13番手にとどまり、Q2敗退となりました。結果的にQ2を通過したのはフェルスタッペン選手、ボッタス選手、ハミルトン選手、ペレス選手、ベッテル選手、ルクレール選手、ライコネン選手、ノリス選手、クビアト選手、ジョビナッツィ選手の10名でした。ジョビナッツィ選手、Q3進出おめでとう!
Q3:メルセデス、結局きっちりフロントロー。
Q2でクラッシュしてしまったルクレール選手はもちろん不参加。残り9台で争われたQ3は、2回目のアタックでボッタス選手が見事ポールポジションを獲得。僚友ハミルトン選手がそれに続き、ベッテル選手は3番手。フェルスタッペン選手が4番グリッドを確保しました。そしてペレス選手をはさんでクビアト選手が6番手。マクラーレンのランド・ノリス選手が7番手と、相変わらず予選での速さを発揮した形です。
決勝
前半:ボッタス選手、トップの座を死守。
決勝までの間、スターティンググリッドには結構な変更がありました。アルファロメオはジョビナッツィ選手が17番手、ライコネン選手がピットレーンからのスタート。Q1でクラッシュしてしまったウイリアムズのクビサ選手、フリー走行からドタバタの続いたガスリー選手とともに3台がグリッドに並べないという事態になりました。結果、ガスリー選手以外のホンダ勢はフェルスタッペン選手4位、クビアト選手6位、アルボン選手11位からのスタートとなりました。
タイトなコース形状もあいまってセーフティカーが頻繁に出動するアゼルバイジャンGPですが、今回はクリーンなスタートとなりました。2番手スタートのハミルトン選手がボッタス選手に並びかけて前をうかがいますが、ボッタス選手は冷静にこらえて首位の座を死守。2周目以降は徐々に後続を引き離して行きます。一方、トロロッソ勢は徐々に中盤に呑み込まれていく展開。
タイヤに関してはソフトタイヤよりもミディアムタイヤの方が明らかによいパフォーマンスを発揮している印象。ミディアムタイヤを履いて8番グリッドからスタートしたルクレール選手は10周目にはフェルスタッペン選手を抜いて4位に浮上します。そしてピットレーンスタートのガスリー選手もミディアムタイヤを履いて次々に他車を追い抜く展開。その一方で5周目のクビアト選手を皮切りに、ソフトタイヤ勢は次々にピットイン、ミディアムタイヤに履き替えて行きます。上位勢では15周目、フェルスタッペン選手がピットインしたのが最後でした。その結果、20周前後にはルクレール選手がトップ、ボッタス選手、ハミルトン選手、ベッテル選手、フェルスタッペン選手をはさんで6位にガスリー選手というフォーメーションが形成されました。そして7位、いわゆる「The Best of the Rest」はペレス選手。流石です。
後半:やっぱりメルセデスは強かった。ルクレール選手執念のファステストラップ。
33周目、まさかの事態が起こります。ルノーのダニエル・リカルド選手がクビアト選手をパスするも直角コーナーを曲がれずにオーバーラン。進路を塞がれたクビアト選手もコーナーを曲がり切れずにストップしてしまいました。すると焦ったリカルド選手がクビアト選手の存在に気づかずにマシンを後退させ、トロロッソのマシンにリアから衝突。とりあえず両車とも再スタートは切ったものの結果的にはリタイアに終わりました。リカルド選手、今シーズンはどうも歯車がかみ合っていません。早く陽気に笑うリカルド選手が見たいものです。
その後35周目、トップを走っていたルクレール選手がタイヤ交換。これでボッタス選手ーハミルトン選手の1-2体制が形成されます。一方のガスリー選手はタイヤマネジメントの巧さを見せて快走していましたが、39周目にドライブシャフトが壊れて無念のリタイアを喫してしまいます。これをきっかけにガスリー選手のマシンが撤去されるまでの間、バーチャルセーフティカーが導入されました。
このバーチャルセーフティカー、それまでベッテル選手を激しく追っていたフェルスタッペン選手には凶と出ました。ペースダウンによりタイヤが冷え、グリーンシグナルが灯った後も思うようにペースが上げられなくなってしまったようです。一方、失うもののないルクレール選手は48周目に再度ピットイン。ソフトタイヤを履いてファステストラップをい、見事獲得に成功しました。
終わってみればボッタス選手今季2勝目。ハミルトン選手が2位に入り、これで今シーズンはメルセデスが4戦連続1-2を飾ることとなりました。ベッテル選手が3位表彰台、フェルスタッペン選手は3戦連続の4位(これはこれですごい)、ルクレール選手は5位でフィニッシュしました。そしてアゼルバイジャン大好きなペレス選手が6位入賞。レーシングポイントの僚友ランス・ストロール選手も9位入賞を果たし、復調著しいマクラーレンもサインツ選手7位、ノリス選手8位と嬉しいダブル入賞です。そして入賞者最後の椅子はピットレーンスタートから這い上がったアルファロメオのライコネン選手がゲット。何が起ころうが結果を出し続けるライコネン選手、4戦連続の入賞です。素晴らしい!
まとめ
メルセデスがひたすら地道にフェラーリが自らのリソースをいたずらに浪費して空回りを続け、レッドブルがこの両者に対してがっぷり四つに組む地力がまだ足りなさそうに見えることを考えると、これから先のヨーロッパラウンドもこんな展開が続くのかなぁ。。。モナコあたりでフェルスタッペン選手の鬼神の走りが見たい!そしてリタイアに終わったとはいえ、ガスリー選手も徐々に良さが出てきています。もうあと一伸びを期待したいものです。
そしてトロロッソ。フリー走行や予選では可能性を見せるものの、決勝レースで結果の出ない展開を今回も見せる結果となりました。今のところマクラーレンにはるか上を行かれているのは悔しいぞ。(^_^;;; 次戦スペインGPから舞台はヨーロッパに移ります。より一層の健闘を期待してやみません。がんばれレッドブル・ホンダ!そしてトロロッソ・ホンダ!
2019F1第4戦アゼルバイジャンGP結果
No | チーム | ドライバー |
---|---|---|
1 | メルセデス | V.ボッタス |
2 | メルセデス | L.ハミルトン |
3 | フェラーリ | S.ベッテル |
4 | レッドブル | M.フェルスタッペン |
5 | フェラーリ | C.ルクレール |
6 | レーシングポイント | S.ペレス |
7 | マクラーレン | C.サインツJr. |
8 | マクラーレン | L.ノリス |
9 | レーシングポイント | L.ストロール |
10 | アルファロメオ | K.ライコネン |
11 | トロロッソ | A.アルボン |
12 | アルファロメオ | A.ジョビナッツィ |
13 | ハース | K.マグヌッセン |
14 | ルノー | N.ヒュルケンベルグ |
15 | ウイリアムズ | G.ラッセル |
16 | ウイリアムズ | R.クビサ |
DNF | レッドブル | P.ガスリー |
DNF | ハース | R.グロージャン |
DNF | トロロッソ | D.クビアト |
DNF | ルノー | D.リカルド |