中東バーレーンで開幕した今年のF1シーズン。3週間経ってヨーロッパに上陸です。
当初はオーストラリアで開幕、そして先週(4月9~11日)には中国GPが予定されていたF1カレンダーですが、新型コロナウイルス大流行のためいずれも延期が決定。オーストラリアGPは11月に第21戦として組み込まれ、中国GPは現時点で未定となっています。というわけで、今シーズンは第2戦で早くもヨーロッパにF1がやって来ることとなりました。
第2戦の舞台はイタリアのイモラサーキット。2006年まではサンマリノGPとして開催されていたお馴染みのコースであると同時に、1994年の悲劇を思い出させる場所でもあります。コース長は約4.9キロ、いわゆるオールドコースの一つです。
フリー走行 ~やはりメルセデスは速かった!ホンダは日替わりメニュー?~
第1戦から今回までは3週間のブランクがありました。この間にキッチリ軌道修正を行ってきたのが王者メルセデス。金曜日のフリー走行1回目からいきなりバルテリ・ボッタス選手がトップタイム、ルイス・ハミルトン選手が2番手タイムを刻んでみせました。一方、われらがレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手はそれに次ぐ3番手。アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手は5番手タイムを記録しました。
しかしレッドブルのセルジオ・ペレス選手は中盤でタイヤをパンクさせてスピン、さらにその直後、アルピーヌのエステバン・オコン選手もマシンを止め、セッションは赤旗中断となってしまいます。結局ペレス選手は16番手、思うように周回を重ねられなかったアルファタウリの角田裕毅選手は最下位20位と、なんとも不安な立ち上がりとなりました。
金曜日午後のフリー走行2回目、ここでもボッタス選手とハミルトン選手は1番・2番時計を記録。そして3番手にはガスリー選手が入り、フェラーリ勢の2人を挟んで6番手にペレス選手、7番手に角田選手とホンダ勢が追いすがります。しかしエース・フェルスタッペン選手はドライブシャフトを破損してコース上にストップしてしまい、14番手タイムにとどまってしまいます。
そして本日、土曜日午前のフリー走行3回目。ここでフェルスタッペン選手が乾坤一擲、トップタイムを記録します。ペレス選手が4番手、ガスリー選手は6番手。そして角田選手も11番手に続き、ようやくホンダ勢の体制が整ってきました。メルセデス勢はハミルトン選手が3番手、ボッタス選手は8番手タイムでした。
こうしてみると、フリー走行は盤石のメルセデス勢にホンダ勢が代わる代わるチャレンジする、という構図でした。そんな中で光ったのがガスリー選手。3回のフリー走行で5番手、3番手、6番手と安定した速さを披露してみせました。昨季のエミリア・ロマーニャGPでは4番グリッドを獲得しているガスリー選手、このサーキットとの相性もよさそうです。
公式予選 ~乗れてきたペレス選手、ハミルトン選手に肉薄~
土曜日午後、公式予選開始。しかしいきなりQ1でショッキングな映像が飛び込んできます。角田選手がアタック中に姿勢を乱してクラッシュ!赤旗中断となってしまいます。角田選手に怪我がなかったのは幸いでしたが、記録タイムのない角田選手、決勝は最後尾からのスタートとなってしまいました。Q1で敗退したのは角田選手のほか、アルファロメオのキミ・ライコネン選手、アントニオ・ジョビナッツィ選手、ハース・フェラーリのミック・シューマッハ選手、そしてニキータ・マゼピン選手でした。奇しくも今シーズンデビューのルーキーが最後方にまとまることに。決勝レースでの巻き返しに期待です。
Q2ではペレス選手が輝きました。ソフトタイヤを履いて2回目のアタックでトップタイムを記録!好調マクラーレン・メルセデスのランド・ノリス選手がそれに続き、復調フェラーリのシャルル・ルクレール選手が3番手、ハミルトン選手4番手、フェルスタッペン選手5番手となりました。ガスリー選手も7番手でQ3進出。ホンダ勢は3台がQ3に進むこととなりました。
そして迎えたQ3、やはりハミルトン選手は速かった!見事トップタイムを記録し、通算99回目のポールポジションを獲得してみせました。その一方、意外な苦戦を見せたのがボッタス選手。昨季のエミリア・ロマーニャGPではポールポジションを獲得したボッタス選手ですが、最終的に8番手におさまることとなりました。
ホンダ勢はペレス選手が会心の走りをみせてみごと2番手タイムを記録、自身初のフロントローを獲得しました。そしてフェルスタッペン選手が3番手タイム、ガスリー選手が5番手タイムを記録して、上位5台のうち3台がホンダ勢という形に!それだけにQ1での角田選手のクラッシュが悔やまれますが、角田選手もこのまま最後尾に埋もれているはずはなく、明日の決勝が楽しみです。がんばれレッドブル・ホンダ!そしてがんばれアルファタウリ・ホンダ!